書評 父親子育て実践

赤ヘル1975 by 重松清 中学生の友情と父子の物語 

小説を僕が読み始めたのは、大学生の頃からです。

 

当時、少し大学への登校拒否気味で、家にいる時間も長かったので、

なんとなく本を買って読むことが多かったのです(笑)

 

そんな時、出会ったのが重松清さんの「エイジ」という作品でした。

中学2年生の主人公を中心にした物語です。

 

僕にとって、中学時代というのは、何かそれまでの自分と

大きく変わった時期で、人に対して警戒心を強めた時期でした。

 

そのような中学生の微妙な気持ちを表現しているこの作品で

僕は、重松清さんのファンになっていました。

 

それから社会人になった僕は、ビジネス書や自己啓発書を読むように

なり、小説は、ほとんど読まなくなりました。

 

今、父親になり、子供(男の子)が生まれ、子育てに関わっている今

なぜか重松清さんの小説を又、読みたくなったのです。

 

今回、久しぶりに読んだ重松清さんの作品は、「赤ヘル1975」

重松清さんの作品は、「エイジ」もそうであるように、小学校高学年~中学生の

子供から大人に変化していく微妙な心情の変化を表現しています。

 

そして、その子供達との関わりに悩み、自分自身の人生・仕事でも

壁にぶち当たりながらも懸命に生きている40代くらいの父親の心情を

描いていることが多いのです。

 

今の僕の状況、そして、過去の中学生の頃の僕、これから息子達が

抱えるであろう感情や父親への想いなど全てが僕の共感ポイントになっています。

 

赤ヘル1975は、1975年の広島が舞台

戦後30年が経ち、復興していきながらも戦争と原爆の爪痕と後遺症に苦しむ人達

 

中学1年生で、東京から引っ越してきたマナブ、運動神経抜群の酒屋の息子ヤス

カープ大好きで自分でカープ新聞を作ってしまうユキオの3人の出会いと友情を

表現している作品です。

 

では、僕が感じた本書の中での共感ポイントを紹介します。

 

1.1975年の広島カープ初優勝の軌跡と共に進む物語 

~野球好きにはたまらない~

重松清さんは、岡山出身で広島カープファンらしいです。

 

重松さんの年齢からすると、ちょうど、この時期中学生ですから、主人公達と

同世代です。当時、中学生だった自分と重ね合わせながら描いた作品なのでしょうか?

 

僕は、この年まだ生まれていませんが、野球は昔から大好き

往年の名選手と具体的な優勝までの試合内容などの事実が登場します。

 

山本浩二、衣笠幸雄の2大スーパースターのみならず、往年の広島カープの

選手とカープを応援する広島の人々の熱い想いが小説の中から伝わってきます。

 

広島カープの優勝への軌跡だけでも1つの小説として完結できそうな

そんな内容になっています。

 

小説の中では、なんと山本浩二選手が中学生のヤス達の前にも登場するんですよ。

これは、さすがにフィクションでしょうが、実話かと思わせるような内容です。

 

野球好きにはたまらないそんな小説です。

 

2.性格もキャラも違うけど大の仲良し3人の中学生

この小説では、3人の男の子達の友情も描かれています。

ヤス・・・運動神経抜群、野球も上手なの酒屋の息子

 

ユキオ・・・野球は下手だけどカープ大好き。

将来は新聞記者希望だけど、勉強は苦手

 

マナブ・・・東京から親の仕事の関係で引っ越してきた

巨人の帽子を最初被っていた為、ヤスとユキオに絡まれる

 

3人が意気投合しながらも、親同士のもめ事や様々な人間関係の

中で、ケンカしたり、対立したりしながらも絆を深めていきます。

 

3人っていうのがいいですね。2人の中が微妙になっても、もう1人が

その2人の間に入って、中を取り持つ姿が素敵です。

 

広島では、親友のことは「ツレ」と呼ぶらしいです。

 

3.父親に振り回されるマナブの葛藤と成長

マナブは父子家庭。両親は離婚し、父親と一緒に暮らしています。

 

マナブの父、勝征は、仕事で一発逆転を狙っては失敗ばかり。

その都度、住む場所を変え、マナブも転校を余儀なくされます。

 

そんな父親に振り回されながら、広島という戦争と原爆の爪痕が

残る街に転校してきたマナブ。

 

広島カープ命の友人達や複雑な問題を抱えるクラスメイトの存在に

よって、戦争や原爆に対しても、真剣に悩み、向き合います。

 

重松清さんの作品では「とんび」という小説も有名ですが。父子家庭を

描いている作品が多いです。重松さん自身もそのような経験をされているのか?

 

「とんびが鷹を生む」とは昔からいいますが、父、勝征のだらしなさに比べると

冷静沈着で頭もよく、友人のこともしっかりフォローするマナブは素敵な男の子です。

 

勝征は、自分の親のことやこれまでの人生のことをマナブには語りません。

いつも、ふざけて冗談を言いながら、今後の仕事はうまくいくと言い続けています。

 

でも、マナブは勝征をよく見ていて、ふとした瞬間に見せる真剣な表情や

人生や仕事に苦しんでいるしぐさを感じ取っています。

 

そして、そんな父親の姿が嫌いではないらしい。

 

勝征にも、人生今まで色々なことがあり、離婚もして

息子と一緒に暮らしながら、なんとかして自分の人生を切り開きたい。

 

そんな真面目で、真剣な想いもあるだろうと思います。

 

マナブは、「お調子もので、だらしない、でもなぜか憎めない勝征」

と一緒に過ごすことに葛藤しながらも、一生懸命生きています。

 

マナブと父、勝征。どちらの気持ちや状況も僕自身と重ね合わせながら

読んでしまう。そんな2人の人生模様がたまらなくせつないのです。

 

マナブは広島に来たことで、戦争や原爆についても真剣に向き合います。

 

「ヨソモノ」にはわからないという厳しい声をもらいながらも、なにかを

感じ取ろうと、様々な行動を起こしていきます。

 

その姿勢そのものに、僕は、感動し、尊敬してしまいました。

 

中学1年のいうこの時期に圧倒的に人間として成長していくマナブの姿に

僕自身、沢山の刺激をもらいました。

 

まとめ

ブログの中では書ききれないくらい 赤ヘル1975について語りたいことは

沢山あります。

 

ネタバレしたくないので、この辺にしますが、僕は重松清さんの作品を

通じて、父と子の関係、家族とは? 父として、子供とどう関わるか?を

考えさせられます。

 

母親ではなく、父親だからこそできる男の子のそれぞれの年代で抱えてきた

葛藤や不安や希望。

 

そんな感情に寄り添いながら、時には導き、時には励まし、時には一緒に涙を

流す。そんな関係を築きたいとこの本を読んで感じました。

 

そして、息子に対してできる1番大事なことは、僕自身が自分の人生を

あきらめず、最期まで自分の可能性を信じて、行動し続けること。

 

そんな姿勢をこれから見せていきたいと思います。

 

重松清さんの小説を読むと、自分自身の親子関係を深く考えさせられます。

 

父として、母として、子供とどう関わるか? 家族とは?

そして、戦争や原爆で被害を受けた方々がどう生きてきたのか?

 

そんあことをリアルに感じ取れる素晴らしい小説「赤ヘル1975」

是非、読んでみてください。

最後のシーンで、1976年広島入団。その後、広島の大エースになる

「北別府学」さんが登場しています。主人公と同じ「マナブ」

 

北別府さんは、子供の頃に見ていた投手だったので、登場して嬉しかった

ので、紹介してしまいました。(ネタバレですね)

 

最後まで、読んで頂き、ありがとうございます。

 

 

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